Uro-Cancer.comサイト開設にあたって

わが国における泌尿器癌患者数は、前立腺癌を中心として年々増加傾向にあり、今後これらの患者を診療する機会も泌尿器科専門医に限らず増加していくものと考えられます。医学の進歩は著しく、常に診療に関わる情報をアップデートしていくことが欠かせないのは泌尿器科学も例外ではありません。このような中でのWebサイト『Uro-Cancer.com』の開設は非常に意義深いものと考えます。


本サイトを開設した目的は、泌尿器科専門医を中心とした泌尿器癌治療に携わる多くの医療関係者の方々に、診療に役立つ有益な情報を提供することです。開設時の主要コンテンツは症例検討会「Round Table Discussion」と論文紹介「Article Review」です。


「Round Table Discussion」では、日常診療で遭遇しうる症例を提示し、経験豊かな専門医が治療方針を紹介しながら、実際に治療方針を選択する際のポイントや問題点等を議論していくことにしています。各癌種の治療方針や考え方はガイドラインが整備されつつあるとはいえ、各患者の病状や背景は極めて多様であり、このような症例検討をWeb上に公開することによって、全国の医療関係者に話題を提供するとともに実地臨床で治療選択に悩む医師の方々のお役に立つのではないかと考えています。


また「Article Review」では、泌尿器癌に関する主要専門誌から特に注目すべき文献を毎月選択し、日本語サマリーと監訳者のコメントを掲載していくことにしています。近年はEBMの概念に基づいた医療の実践が浸透してきており、最新文献から治療の根拠となるエビデンスを紹介していくことは大変有益であり、また忙しい診療の合間に世界における各種癌領域の最新知見を理解するための一助にもなるのではないかと考えます。


現在はインターネット中心の世の中といっても過言ではなく、様々な情報が氾濫しているのも事実です。このような時代の中で、『Uro-Cancer.com』がWebのメリットを最大限に生かし、信頼される充実したサイトに成長していくことを期待しています。


2007年6月


写真:内藤誠二 九州大学大学院医学研究院 泌尿器科学分野 教授 内藤 誠二